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「チリ」…チリ??
2015年07月01日
今回のブログは、製品や技術の紹介ではなく、「チリ」という製本用語について取り上げてみたいと思います
いままでのブログでも何度か出てきてますよね。
製本に携わったことがある方、ブログを毎回お読みの方はもう意味を知っているかと思いますが、そうでない人は何の意味かさっぱりわからないですよね
わたしも入社当初、「チリを見てね」と言われたとき、「塵?埃か何かですか」などと間抜けなことを言ってしまった記憶があります笑
チリとは、「上製本など表紙を本文の紙とは別のものを用いて作り付ける際、本文よりも一回りはみ出している部分のこと」です。
言葉で説明するとイミフですが、つまりこの写真の余白の部分です。
上製本(いわゆるハードカバー本)は、基本的にチリが2~3ミリ程度、朱印帳やお経本などは基本的にチリが1ミリ程度となっています。
文庫本などの並製本は、基本的にチリなしとなっています。
さて、チリが何を指しているのか、もうお分かりいただけたと思います。
ただ、哲学科出身であるわたしはここからずっと疑問を持ち続けてきました(これからは余談になります)
チリが何を指すのかはわかった。しかしなぜそれを「チリ」と呼ぶようになったのか
そういう疑問です。みなさんも気になりませんか?
ネットで調べたり、用語辞典を調べても、何を指すのかは載っていても、その由来は載っていないのです
ただ、チリは「散り」と書くということを知りました。
そこでわたしは考えました。で、何となく答えらしきものを見出したように思います(あくまで仮説ですが)
チリが「散り」なのだとすれば、おそらくそれは、「表紙のはみ出し分が中身と合わせたときにできる間隔の均等さ、つまりその天地小口のはみ出しの間隔の分散具合、つまり間隔の「散り具合」。その「散り」が段々名詞化してきて、間隔そのものをチリと呼ぶようになった」のではないかと思います。
正解がどうか知る由はありませんが、一応筋は通るかなと思います。
製本用語って面白いです。また次回のブログで違う用語をご紹介いたします。お楽しみに。